皆さま、こんにちは‼ 元Jリーガーのサッカーコーチです。今回は『JFA 全日本U-12サッカー選手権大会(以下「全日本少年サッカー大会」と称す)を通して、選手育成の課題について語ります!!(トップ写真は【ジュニアサッカーを応援しよう】サイトから転載)
【全日本少年サッカー大会】指導者がするべき【唯一の指導】とは
実は、僕自身も今現在、小学生年代のサッカー育成で大きな課題にぶつかっています。
それは『小学生年代は、試合に出すことで選手を育てるべき』という原則とチーム事情とのぶつかり合いです。
トップページ写真は、2017年04月19日に【ジュニアサッカーを応援しよう】サイトに掲載された記事です。JFA(日本サッカー協会)のトップ田嶋幸三会長のインタビューですが、以下に引用転載をするので、是非、お読みください。
――一方で田嶋会長は決勝戦後に、選手交代の少なさに関しても言及されていました。16人がベンチ入りしている中で、決勝戦で途中出場した選手はセンアーノが0人、マリノスは1人でした。
「8人制に変更した当初は、15分間の3ピリオド制だったんです。ベンチ入りする16人全員が試合に出られるように、必ず1ピリオドは使って欲しい、その代わりにどのような起用方法でもいいというレギュレーションにしたわけですが、煩雑などといった指導者の方々の声を受けて前後半のフリー交代制に変えました。その途端に、先発させた8人をほとんど変えなくなってしまったんです。決勝戦もそうでしたが、だからこそ観戦していてすごく残念な思いに駆られたわけです。
11人制から8人制へ変わってから、試合に出るチャンスが逆に減ったという声が僕のところに届くようになりました。すべての試合がそうとは言いませんが、11人制の時も選手交代が少なかった。だからこそ、より多くの子どもたちが関われるように8人制に変えたはずなのに、そんなことがあるのかと当初は思っていましたが、理由がよく分かりました。多くの子どもたちのレベルを上げていくためには、本来ならば選手をどんどん代えて、ベンチ入りしているみんながサッカーに関われるようにするべきなんです。
――毎年ゴールデンウイークに開催され、JFAも後援されている「JA全農杯チビリンピック小学生8人制サッカー大会」は1ピリオド12分間の3ピリオド制で行われています。JFAとして、全少における選手の起用方法に対して何らの指導を行うことはあるのでしょうか。
「すべては指導者にかかっています。3ピリオド制で行われていた時は、ルールで決められていたわけです。それを前後半制に変えた途端に、だんだんと8人しか使わないサッカーになっていった。またルールで縛る必要があるのでしょうかと、指導者の方々に問いたいですね。僕たちとしては再びルール化するようなことはしたくありませんが、そこはもう少し考えて欲しいという思いがあります」
https://jr-soccer.jp/2017/04/19/post62466/2/ から記事転載
【小学生年代のサッカー育成】は未来につなげる土台を作るべき!!
実は、僕のチームもこの「全日本少年サッカー大会」に出場したことがあります。コーチとして、監督としてこの大会に出ました。
詳しく書くと、僕のチームの事情がバレてしまいますが、僕が監督をやっているチームは、全員出場を目指しましたが、できませんでした。このことが僕にとっては大きな課題となりました。
【小学生年代】で試合に出られないとその選手はどうなるか?
僕は小学生時代に「全日本少年サッカー大会」には出場しました。チームの中心メンバーだったので、試合に出られない子のことまでは意識したことがありませんでした。
実は、この大会前に一人の保護者からに『息子を試合に出場させないようだったらチームを辞めるので…』と申し入れを受けていました。その子はテクニックはあるものの、体力的に全国大会の試合では使うレベルではありません。
普通のサッカー指導者は「保護者からの過剰な申し入れ」は無視をするか、断るかのいずれかだと思います。ところが、その保護者は「田嶋会長の記事」を示して『小学生時代は試合に出すことで選手を育成してほしい…』と語ってきました。その内容が正論だったので、僕もこれについてじっくりと考えました。
小学生年代の親の『わが子を出場させろ!』は育成論?orクレーム?
この保護者がやったことは「選手の育成論だったのか? 単なるクレームだったのか?」。
皆さまはどう思われますか?
ちなみに…ですが、その保護者は元サッカー選手で、僕の先輩でした。その主張をまとめますと…。
・小学生年代は「サッカーを好きで続けること」を念頭に育成をすべきである
・中学生年代は成長期になるので、身体の差に応じて育成を変えるべきである
・勝敗重視をするのは高校年代からで良い
持論+各指導者との意見交換で得たものは?
こうしたことがあり、僕は『小学生年代のサッカー育成は「試合に出すことで選手を育てる」べき』なのか?を知り合いの指導者らと意見交換をしてきました。
・原則は「小学生年代は試合で出すべき」だが… ・しかしながら「試合の勝負優先になると難しい」
この2つの意見でした。
議論はさらに『小学生年代』の育成で最も重要なこと!!
現在のサッカーはかなりレベルが高くなってきています。これは他のスポーツにも言えることです。技術のレベルが20、30年前と現代とは大きく進歩を遂げたのです。
昔のサッカー界では、中学校からサッカーを始めた人がその後日本代表選手になった事例があります。今の時代は、そうしたことはかなり稀だと思います。
ということは、プロサッカー選手になる人は、少なくとも「小学生年代」からサッカーを始めた人たちです。その年代の子どもたちに指導者やチームがやれることはタダ一つです!!
【サッカーを好きでいてくれるようにすること】です。
この意見に関して、保護者も僕も相違はありませんでした。
日本サッカー協会の田嶋会長が語ったこと!!
僕のサッカーの恩師は、田嶋会長と深い付き合いがあります。サッカー協会の仕事の中で、長く「指導者育成の分野」で活躍してきた人です。
このこともあって、恩師に連絡を取り「小学生年代の育成」に関して意見を伺いました。
2015年12月の会長選挙では、田嶋会長は「育成の重要性が柱」とする意見を表明して、対立候補で「日本代表強化が柱」とする原博実専務理事(当時)を破って会長に選ばれたそうです。田嶋会長は、育成に関しての「思い」と「理論」を持っている人なので、冒頭のインタビュー記事のように語ったのだろういうことでした。
子どもの成長に応じて「試合」の使い方も異なる!!
この大会を通して、僕も「持論」が変わってきました。
賛同できない方もおられるかと存じますが、あくまでも「意見」なのでご了承ください。
・小学生年代の育成→サッカーを楽しめる環境におくべき。試合で育成する ・中学生年代の育成→サッカーの“職業観”の醸成。フィジカル応じて試合を活用するべき ・高校生年代の育成→参加しているチームにおける勝負の重視。サッカー進路との関わり
一般的に「思春期」となる子どもたちは、小学生後半から中学生にかけてです。
中学生のサッカー育成は「部活動」「クラブに所属しての活動」に分かれますが、年代別の日本代表は、ほとんどがJリーグ下部のクラブです。
こうした中学生年代においては「職業観の醸成」として、今後、プロサッカー選手としての道を歩むのか?別の道を選ぶのか?を、選手本人が意識する時期でもあります。
小学生のころは、漠然とした将来の夢で「プロサッカー選手になる!!」と宣言していた子どもも中学生になると現実的な気持ちを持ち、誰もが「プロサッカー選手になる」と言えなくなります。
そこで、僕は「試合の使い方」特に、指導の分野で【公式戦】をはじめとした緊張感のある試合をどのように選手に経験させて育成に役立てるか―を考えるようになりました。
私案:すべてのベンチ入りの選手を試合に出場させるために!!
ここからは「コーチの私案」です。既に一部の指導者と意見を交換しています。
・指導者ベンチ入りの選手全員を試合に出すこと ・試合は20分ハーフで、前半のみ『チャレンジタイム』を設定する ・チャレンジタイムは10分以内で、その際、ベンチ入りの選手すべてを使う ・チャレンジタイムだけの勝敗で、その後の試合のアドバンテージ(例:勝者側が1点加算等) ・大会それぞれの独自ルールで運営する
「全日本少年サッカー大会」など規模が大きい大会で、スポンサーがつくような試合では、選手交代を把握するICタグのような機材を、スポンサー会社に負担させればいいと思います。
例えば、ICTの会社に対して「ボランタリースポンサー」として募集すれば、必ずどこかの企業が良い案を出して運営までやってくれるはず―です。
僕の持論をさらに言えば、選手を試合に出さないような全国大会は小学生年代には必要ありません。
大会の遠征に参加して、1分もピッチに立つことができなかった子どもたちの心の中はどんな感じでしょうか? これを支える親の気持ちはどんなにつらいことか!!
これからの時代の「小学生年代の」サッカー育成方法とは!!
これからの小学生年代の育成は「勝敗よりも個々のサッカー人生を育てる機会」にしようと思っています。僕の独自案はすぐには反映されないでしょうから、まずは自分のチームで実践しようと思っています。
選手登録が必要なチームに所属しない!!
全国大会の公式戦に出場するためには、選手は「4種登録」と言われるサッカー協会への登録が必要です。そして、所属チームを決めて、そのチームもサッカー協会の「4種登録チーム」であることが必要です。
しかしながら、こうした「登録チーム」ではなく、プライベートチームや各種のサッカースクール、自主練習などでも選手を育成することが可能です。
まとめ:サッカー指導者の道をつくってくれたリベルタ‼
最後に、僕がお世話になったサッカースクールを紹介します。
全国に約1,500箇所、約20,000人の子どもが通う『リベルタサッカースクール
スタッフの誰もが、子どもたちを「認めて、褒めて、励まし、勇気づける」の指導方針を徹底していますし、とにかく「サッカーを楽しんでくれるような工夫」がされています。
指導者研修もあり、僕もサッカー協会の指導者ライセンスを受ける際に、いろいろな手助けをしてくれました。僕にとっては「恩人」です。
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