『JFA 全日本U-12サッカー選手権大会(以下「全日本少年サッカー大会」)』は、街クラブが優勝しました。前回の記事で『「全日本少年サッカー大会」で指導者が取るべき指導』を記事にしたところ、サッカー関係者の間で、この記事がバズりました。当サイトの問い合わせに批判のご意見がいくつか来たので、改めて僕の考えと持論を記事しました!!(トップ写真はJFAのサイトから転載)
【全日本少年サッカー大会】速報「読者の意見」にお答えします!
まずは、本ブログサイトの記事にご意見をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
ちなみに、当サイトでは「問い合わせフォーム」から記事に対する質問や意見を受け付けていますが、連絡先(メールアドレス、名前)は書いていただくことになっています。
ところが、今回の「全日本少年サッカー大会」の記事に対する筆者への意見(批判)は、そのいずれも記載がなかったので、改めてここで追加の記事を執筆することにしました。
かなりの長文での意見でしたので、項目をこちらで抽出して、それに筆者が答えるというスタイルで記事を書いていきます。
【小学生年代のサッカー育成】は未来につなげる土台を作るべき!!
これが僕の持論であり、確固とした信念です。よかったら前回の記事も合わせて読んでください。
【読者様の意見から】『わが子を出場させろ!!』は親のエゴ、クレームだ!!
僕は、前回の記事で自らの持論を明らかにしました。
大会前に、ある保護者から『息子を試合に出場させないようだったらチームを辞めるので…』と申し入れを受けました。その内容が正論だったので、僕もこれについてじっくりと考えました。
前回のブログから一部転載
このブログサイトの読者様から『これは、親のエゴであり、チームに対してのクレーマー行為だ。下手な選手を試合に出すことがチームワークが壊れる!!』と激しい感情が書かれていました。
コーチ この保護者がやられたことは是非論があるとは思います。
小学生年代は、身体の成長の時期の違いなどもあり、個々の選手のスキル・技術・実力に違いがあると思います。ただし、この年代は「仲間と一緒に物事を達成する」という目標設定の方が、長い目で見ると有意義であると考えます。
また、保護者の申し入れも「(自分側が)チームを辞める」という選択を示しただけであり、指導者は自らの考えで行動をすることができます。なので、保護者に対しては怒りや不満の感情はありませんでした。
【読者様の意見から】子どもたちは「競争」において自らを鍛えられる!!
読者様の子どもさんもサッカーをやっておられたそうです。それで、レギュラーを目指すことでチーム内競争がある。激しい競争の中で自らを鍛えることができる、と書かれていました。
コーチ 競争は人間社会の中で“避けることができないコト”です。しかも、サッカーというチームスポーツ人おいては、チーム内競争があります。競争の中で自らを鍛えられることもあります。
しかしながら「競争」というのは、度を越してしまうと、マイナスになることもあります。小学生年代は「ゴールデンエイジ」と言われる成長が目覚しい時期があります。この時期は誰でも一生に一度しかありません。公式戦にまったく出ることができない選手は、たまたま所属しているチームとの兼ね合いでそれを逃してしまったら…、その選手の失ったものはあまりに大きいと言わざるを得ません。
「競争で鍛える」世界は、過度な競争ではなく“適度な競争”でというのが小学生年代の育成で重要なことだと思っています。
【読者様の意見から】試合に出られなくても「得るもの」はあるはずだ!!
コーチ 確かにそのとおりです。公式戦の試合に出ることができなかったことで、子どもたちは「何かを得る」と思います。
しかしながら、同時に『公式戦の試合でしか得ることのできないもの』もあると思います。それは、緊張感の中で、自分の技術や実力を試す機会、仲間と一緒に闘ったという気持ち、仲間を支えながら試合をする――こうしたことは『試合に出場しなければ得ることはできない』のも事実です。
小学生年代の育成が、チームの勝利ということよりも、子どもたちにこのような機会を与えるために公式戦を設けているのであり、そのことは、日本サッカー協会のトップの田嶋幸三会長も同じようなことを語っていました。
【読者様の意見から】指導者は全員を試合に出してやりたいはずだ!!
読者様の中に『自分も少年サッカーの指導者をやっている…」という方がおられて、指導者としては「ベンチ入りの選手全員を試合に出したいが、その結果、試合に負けてしまったらみんなが不幸になる。こうした指導者の気持ちも分かってほしい…』と訴える意見もありました。
コーチ 指導者の葛藤は質問者様のおっしゃるとおりです。チームが控えの選手を出したために負けてしまうこともあるでしょう。負けたら負けだで、批判をする保護者や関係者も出てきます。これが問題です。
ただし、もしも、指導者の大半が『小学生年代の選手は「試合に出場させることで育成させるべきだ」という信念を持ち、大会運営者側もこれをサポートする仕組みをつくったら…」、それでも子どもたちを試合に出さない状況は生まれるでしょうか?
僕は前回の記事で私案を出しました。(※県協会には提案書・企画書を送っています)
・指導者ベンチ入りの選手全員を試合に出すこと ・試合は20分ハーフで、前半のみ『チャレンジタイム』を設定する ・チャレンジタイムは10分以内で、その際、ベンチ入りの選手すべてを使う ・チャレンジタイムだけの勝敗で、その後の試合のアドバンテージ(例:勝者側が1点加算等) ・大会それぞれの独自ルールで運営する
「全日本少年サッカー大会」など規模が大きい大会で、スポンサーがつくような試合では、選手交代を把握するICタグのような機材を、スポンサー会社に負担させればいいと思います。
大人の力で知恵を出しあえば、こうしたことはそんなに難しいことはないと思います。
【読者様の意見から】小学校時代に試合に出なくても良い選手はいる!!
読者様の文脈から『小学生年代に公式戦に出ることがなくても、その後、成長してよい選手になった人をたくさん知っている』という意見をいただきました。
コーチ 読者様がおっしゃるように、小学生年代で試合に出られなかったことが「要因」でその後、その選手がどう成長したか?!を客観的に追いかけるのは難しいと思います。
一方で、小学生年代(サッカー登録第4種)から中学生年代(同3種)、高校生年代(同2種)と成長するにしたがって、選手の登録者数が減ってきています。この理由が「試合に出られない選手を作ったこと」が要因の一つになっている、と僕は考えています。
まとめ:小学生年代の育成のルールを見直すべき!!
以上、読者様のご意見に対して、再び、僕の持論を述べました。
小学生年代はしっかりとした「技術」を身につけて、さらにはサッカーのコトを好きでいられるようように指導するのが大前提ですね。
そのためにも、サッカー指導者が知恵を出し合って「小学生年代の育成のルール」を見直すべきだと思います。
追伸:僕がかつてコーチをさせていただいたサッカースクールです。
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